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旅立ちの朝

早朝、廊下に出た際
いつもの隙間で、仰向けに眠っていたクマ。

口角が上がり、顔がニヤケて見える。
いつ見ても、ふざけた格好だ。

夜が開ける前の、蒼い光に包まれる時間。
思い返すと、私はこの時
ナニカの予感を感じていたのかもしれない。

朝、叔母から兄に電話が入る。

(急に居なくなったら、悲しむよ・・・・)
階下から、母と兄の会話が聞こえる。

決まったのだな。

先日の電話で、心づもりは出来ている。
だがしかし、
当初の『3ヶ月は母犬と一緒に居なくては・・・』との叔母の言葉は何だったのだろう。

何か釈然としないが、とにもかくにも、今日が旅立ちの日だ。

時間はあまり無いだろう。
デジカメ2台、携帯カメラも装備して、犬達と遊び、撮りまくった。

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PICT1772.jpg小躍り

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PICT1787.jpgエイッ!
PICT1788.jpg忘れないでね


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いつもと違うヒト達の雰囲気に、何処か違和感を感じていたのだろうか?
今見返すと、クマのピンショットは何処か寂しげに映る。

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窓辺に並ぶ
ヤンチャボーイズのこの姿も見納めか。

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クマを抱き上げ
トロリと溶け、零れ落ちそうな柔らかな躯を、ギューギュー抱いて
彼特有の、プニプニの前脚をニギニギした。

明るいお前が居なくなると、寂しくなるよ。

その明るさを炸裂させて
アチラの先住犬のジジ達の活力を引き出すんだよ。
良い子で元気にやるんだよ。
毎月会いに行くからね。


夕刻、彼は新たな家族の許へ旅立った。

母方の親戚である事。
先住犬達の環境もよく知っている事。
安心して委せられる場所への旅立ちではあるが・・・

一番明るいクマの旅立ちは、思いの外心に応えた。

静かな雨音が、胸に染み入る。

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2006年05月07日 19:29に投稿されたエントリーのページです。

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