早朝。
Madam Aがナナに声を掛けるが、呼びかけに反応を示さない。
「ナナ?」不安を帯びたMadam Aの声に、私も不安を感じナナを見る。
ナナの視線は私に向いているが、目を見開いたまま微動だにしない。
(あのコ、なんで動かないの?瞬きもしないで・・・)
ドキンッ!
(まさか!まさか!!まさか!!!!!!!嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
「ポンッ」とMadam Aが近場の物を叩き音を出すと、ようやく瞬きをしたナナ。
伏せたまま頭を擡げ(どうかしたの?)と困惑顔。
起き抜けでポーッとしていただけだったらしい。
ホッとして、全身の力が抜けてしまった。心臓は早鐘の様だ。
「ヤメテヨ、吃驚させないでよ、モゥ。」
いつかその日はやって来る。必ずやって来る。
解ってはいながらも、こんな突然は嫌だと思う反面
苦しむ事無く大往生を願ってもいる。複雑な心境だ。
「まだ早いよ」と声を掛け躯を撫でると、こちらの心配を余所に伸びをして大アクビのナナ。
朝から心臓バクバクであった。
今日のダニーは、日に3度も(うん)にお目に掛かる程、快腸全開。
散歩の歩みはいつもより緩やかだったが
「まだ歩き足りない」といった素振りを見せ、体調の良さを感じさせる。
ホタルの散歩の際、本日も広場にてリードを放す。
逃げたり追ったり、一緒に飛び跳ねて遊ぶ。
「おいで」と呼ぶと、低い姿勢で突進して来るホタル。
その姿は恐ろしいやら可愛いやら・・・。
転がり込んで来るデッカイ躯をしっかと受け止めると、もうタマリマセンな・・・。
気付けば私もデ〜レデレ。